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いま来むと
いひしばかりに
長月の
ありあけの月を
待ちいでつるかな
いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
吹くからに
秋の草木の
しをるれば
むべ山風を
嵐といふらむ
ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ
月みれば
ちぢに物こそ
かなしけれ
わが身ひとつの
秋にはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
このたびは
ぬさもとりあへず
手向山
もみぢのにしき
神のまにまに
このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに
名にしおはば
逢坂山の
さねかづら
人に知られで
来るよしもがな
なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな
小倉山
峰のもみぢば
心あらば
いまひとたびの
行幸待たなむ
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ
みかの原
わきて流るる
いづみ川
いつ見きとてか
恋しかるらむ
みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ
山里は
冬ぞさびしさ
まさりける
人目も草も
かれぬと思へば
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
心あてに
折らばや折らむ
初霜の
おきまどはせる
白菊の花
こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな
ありあけの
つれなく見えし
別れより
あかつきばかり
うきものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
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