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いにしへの
奈良の都の
八重桜
けふ九重に
にほひぬるかな
いにしへの ならのみやこの やへざくら けふここのへに にほひぬるかな
夜をこめて
鳥のそらねは
はかるとも
よに逢坂の
関はゆるさじ
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ
■63 左京大夫道雅
(さきょうのだいぶみちまさ)
今はただ
思ひ絶えなむ
とばかりを
人づてならで
言ふよしもがな
いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな
■64 権中納言定頼
(ごんちゅうなごんさだより)
朝ぼらけ
宇治の川霧
たえだえに
あらはれわたる
瀬々の網代木
あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ
うらみわび
ほさぬ袖だに
あるものを
恋に朽ちなむ
名こそをしけれ
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ
■66 前大僧正行尊
(さきのだいそうじょうぎょうそん)
もろともに
あはれと思へ
山桜
花よりほかに
知る人もなし
もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし
春の夜の
夢ばかりなる
手枕に
かひなくたたむ
名こそをしけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ
心にも
あらでうき世に
ながらへば
恋しかるべき
夜半の月かな
こころにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな
あらしふく
三室の山の
もみぢばは
竜田の川の
錦なりけり
あらしふく みむろのやまの もみぢばは たつたのかはの にしきなりけり
さびしさに
宿をたちいでて
ながむれば
いづこもおなじ
秋の夕ぐれ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづくもおなじ あきのゆふぐれ
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